小野瀬行政書士事務所のブログです。相続についての情報をお届けします。

相続

【相続して空き家になってしまった不動産】

相続された財産のうち不動産が占める割合は財産評価で4割以上、流通価格評価で5割以上といわれております。
ですから、相続に携わる仕事をしている者は不動産の取扱いに長けている方が良いと考えております。

そうは言っても相続人のご希望をしっかり聞いて、ご希望が叶うような提案ができなければなりません。
換価分割などで不動産を売ることが決まっているのであればどこの不動産会社でもお手伝いできると思います。
しかし、どのようにしようか決まっていない場合はしばらく空き家になってしまう場合が多々あります。
その空き家を管理し、その後の相続不動産の取扱いに対してアドバイスができる会社が必要になってきます。
せっかく良い状態の不動産を相続したのに、空き家にしてしまっていると痛んできたりして価値を下げてしまう場合があるからです。

相続人が売却したいと考えた場合、被相続人の居住用家屋又は被相続人の居住用家屋の敷地等を売却する際には一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができるのです。
その適用要件(・相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること・売買代金が1億円以下であること・相続の時から譲渡の時までに事業の用、貸付の用又は居住の用に供されたことがないこと・譲渡の時において一定の耐震基準を満たすもの等々)を考慮してアドバイスができないと不動産を相続した相続人に損をさせてしまします。
管理するだけではなく適切なアドバイスができなければならないという事です。

では空き家を管理する必要があるのか?

不動産の状態が良くない場合は、土地の工作物の所有者責任(無過失責任)を防衛するために一定程度の管理が必要になると考えます。

不動産の状態が良い場合には、空き家になってもよい状態を保ち、売却する場合には価値の目減りを防ぐことができますし、空き家を活用する場合にも良い状態を保って活用するためリフォーム代金などを抑えることができたりします。

相続不動産に限りませんが、空き家になってしまった不動産を所有している方は、今後どのようにしていくのか、一度空き家の管理・活用・売却を行っている会社にご相談してみると良いと思います。

相続手続きの相談窓口でもご相談にのれますので、お気軽にご連絡ください。
相続手続きの相談窓口では、不動産コンサルティングも行っております。

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遺言スタイル【自筆証書遺言書保管制度について①】

こんにちは。

久々のブログ更新になってしまいました。
そして、久々は「遺言スタイル」です。
相続関係の仕事をしていると遺言書の大切さがよくわかります。

今回は、【自筆証書遺言保管制度について①】になります。

自筆証書遺言保管制度とは、自筆証書遺言を法務局で保管してくれる制度です。

自筆証書遺言とは、遺言者本人が財産目録を除く遺言書の全文、日付、氏名を自書で作成する遺言書です。

自筆証書遺言のメリットは、
1.いつでも自分ひとりで作成ができ内容を他の人に知られない。
2.作成し直しが簡易の為、いつでも遺言書の見直しができる。
3.公証役場の費用や証人が不要なので費用がかからない。
というところでしょうか。
逆にデメリットとしては、
1.法的要件を満たしていないと無効とされてしまう可能性があること。
2.高齢の方の自筆証書遺言は遺言書能力を疑われて紛争が生じたり、無効とされてしまう可能性がある。
3.相続人に遺言書を発見されないリスクがある。
4.変造・偽造・破棄のリスクがある。
5.家庭裁判所の検認手続きが必要となります。
になります。

自筆証書遺言保管制度では、自筆証書遺言のメリットを残しつつ、前期デメリットの3・4・5のリスクを無くすことができる制度なのです。
デメリットの1・2を無くすにはやはり公正証書遺言により公証人の関与が必要だと考えます。

さて、
デメリット3.「相続人に遺言書を発見されないリスク」については、保管制度を利用すると保管証が交付されます。
この保管証を相続人に見せて法務局に遺言書がある旨を伝えておけば安心です。
遺言者がご存命中は、遺言書を閲覧できるのは遺言者本人のみとなりますので、相続人に内容が知られることはありません。

デメリット4.「変造・偽造・破棄の恐れがある」については、まず保管制度を利用する際は遺言者本人が法務局で手続する必要があること。保管の申請の撤回などは申請者にしかできないことで保管中に変造・偽造・破棄の恐れは軽減できます。

デメリット5.「
家庭裁判所の検認手続きが必要となります」については、保管制度で保管された自筆証書遺言は裁判所の検認手続きは不要です。実際は遺言者が亡くなった際に相続人が申請して遺言書情報証明書が交付されます。遺言書情報証明書で金融機関手続きや不動産相続登記などが行えるのです。ですから自筆証書遺言の原本は、遺言者が存命中に遺言書の保管の撤回を行うとき以外は返却されません。

保管制度を利用する手続きは、保管を依頼する地方法務局に手続きの予約が必要になります。
当日は遺言者本人が手続きに行かなければなりません。(介助のための付添人が同伴することは問題ありません)
作成した遺言書・遺言書の保管申請書・本籍の記載のある住民票の写し・顔写真付き身分証明書・手数料を持参して手続きすることになります。

保管の際は、法務局職員が民法の定める自筆証書遺言の方式について外形的な確認(全文、日付及び氏名の自書、押印の有無等)を行います。
遺言書の内容についての相談には応じてくれないこと、遺言書の有効性を保証する制度でもないことに注意してください。

遺言者が亡くなり、相続人の誰かが遺言書情報証明書の交付を受けたり、遺言書の閲覧をした場合には、そのほかの相続人等へ遺言書が保管されている旨の通知がなされるので、偽造や破棄の恐れがなくなります。

遺言書の重要性が認識されてきた昨今、自筆証書遺言は公正証書遺言に比べて負担が少なく作成でき、かつ自筆証書遺言のデメリットがある程度軽減できる自筆証書遺言保管制度もあり、遺言書作成のハードルが下がったと思います。
今後は積極的に遺言書を作成する人が増えることを祈っています。

次回の遺言スタイルは、「自筆証書遺言保管制度について②」で実際の手続きについてもう少し具体的に書いてみたいと思います。

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登記の義務化【所有者不明土地法成立】

こんにちは。

先日、所有者不明土地法が参議院で可決して成立しましたね。
内容は、
●2024年をめどに、土地や建物の相続を知った時から3年以内に登記することを義務づける。
●相続登記の手続きを簡素化する。
管理が難しい場合は相続した土地を手放して国庫に納められる制度を新設する。
所有者不明の土地が発生するのを防いで、有効利用しやすくする。
名義人が複数いる土地や建物の管理制度も設ける。
土地を共有する一部の人が誰なのかが分からなくても、裁判所の決定を得るなど一定の条件下で用途変更や売却を可能とする。
所有者不明の土地の取引の機会を増やし、休眠状態にあった不動産の流動性を高める。
ということらしいですよ。

相続時に遺族が登記手続きなどをせず、登記上誰が持っているかを確認できない所有者不明の土地の面積は日本全体の2割にのぼるらしいです。
九州と同じくらいの面積ですかね!
相続登記を義務化するわけですから、
これまで相続登記は相続人全員の戸籍などを集める必要があったのですが、不動産登記法を改正し、相続人が複数いても、そのうち1人が申し出れば簡易に手続きできる制度を設けるようです。
逆に、土地の相続時の名義人変更を義務ですから、相続した人を国が捕捉できるようにし、申告しなければ10万円以下の過料を科されるとのことです。
また、山林など利用価値の低い土地を相続した場合、土地の上に建物がないなどの条件を満たせば、土地を国庫に納付できる制度を導入するみたいです。
各地の法務局による審査を経て、10年分に相当する土地の管理費を納めれば土地を手放せるようになる。


相続に限らず、所有者不明土地を一定の条件のもと裁判所の許可で売却できるという一定の条件を知りたいところです。
一昔前は不動産の開発現場で何十棟も建売を販売しておいて、開発道路の持ち分を建売を購入した方に持たせない腐った業者がいて、その業者が廃業や倒産して清算人も亡くなっていたりで宙ぶらりんになってしまっている開発道路がたくさんあります。
開発道路は私道ですから責任もって道路管理を行うつもりだったのかも知れません。
が、現実的に廃業や倒産してしまい、道路なので清算人も気が付かず、いまだにその業者の名義になってる開発道路が多くあり、持ち分を持たない道路に接している建売購入者は売るに売れなかったり、売却査定額が安くなってしまったりしています。
道路管理も勝手にできません。

実は、いまだに横浜の建売業社の中にも1社だけ開発道路の持ち分を購入者に譲渡しない業社があります。
開発道路が私道ですから、購入者に私道の使用、掘削の承諾書を渡しているのです。
そんなものは、数十年経てば失くしてしまう人もいるでしょうし、持ち分持たせてあげたほうが正しいと考えますが、持たせないのです。
私が知っているのは、横浜のその業者くらいですが、今の時代に開発道路の持ち分を同時に譲渡しない不動産業社の家を買ってはダメですよ!
こういったところのルール作りも行ってほしいものです。
マイホームは数十年生活の基盤になるものですからね。

まぁ、所有者不明土地法で大半の事が解決されるとよいですね。
では、また。
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【遺言スタイル】

遺言スタイルとは私が勝手に作った言葉ですが、遺言書作成をポジティブに考えられるように記事を書いていきたいなぁと思っています。

遺言書作成というと、どうしても死を意識したネガティブなイメージを持つ方が多いと思います。

だから、日本で遺言書を残す方が毎年死亡者数の1割くらいしかいないのだと思います。
更には、日本には家長制度があったため家族は無意識であっても、あうんの呼吸で通じ合っていると思われている方が多いのかもしれません。

そんな遺言書ですが、思いやりのある行動であり、遺言書を作成することにより自分の人生を振り返る良い機会も与えてくれます。

遺言書作成前はネガティブなイメージがあるかもしれませんが、実は、遺言書を作成し終えた依頼者様は皆、大事な仕事を成し遂げた後のような、大きな荷が肩から下りたような、大きな責任から開放されたような清々しさを得る人が多いようです。

遺言書に興味をお持ちになったときは、遺言スタイルを読んでみてください。
何かしらの助けになれたら嬉しいです。

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【相続コンサルタントのための はじめての遺言執行】

こんにちは。

私は学生時代に本を全く読みませんでした。
漫画も字が多いのは読みたくないくらい字を読むと眠くなります。

こんな私が3年くらい前から本を読むようになったのですが、今でも好きではありません。
なぜ読むようになったかというと、どんな仕事においてもプロになるには経験値が最も重要であると考えているからです。

不動産の仕事をしていた時は、営業を頑張れば勝手に経験値は上がると思っていたのですが、更に経験値を上げるには自分の経験に他人の経験をプラスすることだと考えました。
それには本を読むことだ!
なんてことはずーーーーーっと前からわかっていたのですが、とにかく本を読み始めると眠さに勝てないのが私だったのです。

そんな私が3年くらい前からちゃんと本を読むようになったのです。
相続関係の本を読むのですが、まぁつまらない。
専門家の先生が書いた500ページ以上ある本を頭に刷り込むために何冊も読むのですが・・・つまらない。
淡々と法律の解釈と、だからどうだぁ。みたいなのを無理やり読んでいて益々本が嫌いになりそうでした。
で、最近わかったのですが実務家の方が書く300ページ前後の本が一番読んでいてすっきり感があって面白い。
専門分野の分厚い本は、分野ごとに1冊読めば十分で必要に応じて読み返せばよいんだということをこの年になってやっとわかりました。
ですから、分厚い本はつまらないながらも相当読みましたが、最近は、300ページ前後の実務家の方の本を選んで読むようにしています。
字も大きくて読みやすい。(子供みたいなこと言ってますが・・)

そんな私でもすっきり読めてしまう本をたまにご紹介していこうかなぁと思います。
私が飽きずに読み切れる本ですので、皆さんは限りなく100%に近いくらいの方が読めると思います。

今日は、第1弾として
相続コンサルタントのためのはじめての遺言執行」をご紹介します。
初心忘れるべからずで、相続コンサルタントの初心者向けの本です。
なんでこの本が楽しかったかというと、初めて実務を行う場合「どうしたらいいんだろう?」と思うことが多々あるのですが、それが蘇ってきて、なんだか新鮮だったからなんだと思います。
実は、遺言書作成を手伝っていると遺言執行者は専門家に限らず、相続人である長男さんなどがなる場合もあります。
ですから、専門家の方では無くても遺言執行の実務がどんなものかを知るためにも読みやすくて良い本ではないかと考えております。
私がなぜこの本を読みたくなったかというと、単純に全国相続診断士会の会長であった一橋さんが書いた本だったという理由だけです。
ニッチな専門的な知識より実際に起こる基本的な実務が時系列的に書いてあり分かりやすいと思います。

また、共著者の弁護士の木野先生の解説も必要最低限のすっきりした解説で内容がぶれないで専門家ではなくても理解しやすいと思います。
弁護士先生が書いた本を何冊も読みましたが、ほとんどは隙が無いくらいの解説がある知識満載の本で、知識欲が高い人向けであり私には向いていません。
相続の対応は本にも書いてありますがチームで行うので、専門分野は専門家が対応します。自分が何でも知っていなければならないわけではありません。
むしろ中途半端で脆弱な知識で対応してはいけないと考えております。
だから専門家には業際というものがあるのですからね。

話はズレてしまいましたが、本書はコンサルタントに限らず、遺言執行者として指名されている相続人も読みやすいと思います。
1日で読めると思います。

これから、たまに300ページ本のご紹介しますね!
良かったら読んでみてください。


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小野瀬行政書士事務所は「相続手続きの相談窓口」を運営しております。
「相続手続きの相談窓口」では、茅ヶ崎市を中心に神奈川県内の遺言書作成・家族信託等の生前対策と、相続人の特定・相続財産の特定・遺産分割協議書作成・名義変更等の相続手続きの相談を承っております。
また、行政書士事務所とは別に不動産の仕事もしておりますので、不動産の相続対策、空き家問題等の相談にも対応いたします。さらに、不動産の最有効使用等の不動産コンサルティングもしております。相続に関することと、不動産に関することはお気軽にご相談ください。。

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