相続した空き家を放置するとデメリットがある?解決策もご紹介

●空き家を相続した場合は換気や通水、掃除などの定期的な管理が必要となる
●空き家を放置し続けると、特定空家に指定されて固定資産税の負担が上がるなどのデメリットがある
●空き家状態にしないためには、建物の解体や売却などの解決策を取ると良い

空き家を相続したものの、とくに活用する予定がなく、つい放置してしまう方は少なくありません。
しかし空き家を放置することによるデメリットが多いため、適切な管理ができない場合は解決策を実行する必要があります。
この記事では、相続した空き家の管理方法や放置することのデメリット、空き家状態にしないための解決策をご説明します。

    相続した空き家の管理方法

    相続した空き家の管理方法

    現在、日本では放置された空き家が増え続け、社会問題となっています。
    空き家は適切に管理する必要があるものの、相続した空き家の対処方法がわからずに困る方は少なくありません。
    ここでは、空き家の管理方法について解説します。


    換気

    空き家は湿気がこもることでカビや害虫が発生し、柱など家の重要な部分が腐りやすくなります。
    そうなると空き家の資産価値は大きく低下するため、注意が必要です。
    湿気をためないようにするためには、定期的な換気をおこない空気の入れ替えをおこなうことが大切です。
    窓や扉だけでなく、押し入れやクローゼット、靴箱の扉などもすべて開けて、すみずみまで換気をおこないましょう。


    通水

    水道管を長期間使用しないと、さびが発生し、最悪の場合は水道管が破裂することもあります。
    また、水道管に水を流さないでいると悪臭の原因にもなります。
    水道管のなかには封水とよばれる水を貯めておく場所がありますが、長期間使っていないと封水は蒸発してしまいます。
    封水がなければ下水からのにおいや害虫、害獣が家のなかまで入り込んでしまうことがあるのです。
    できれば水道は使える状態にしたまま、月に1度は水道から1分程度水を流し、さびがないかなどを確認しましょう。


    掃除

    室内や庭の定期的な掃除も欠かせません。
    とくに庭の雑草を放置していると、見た目が悪くなるだけでなく害虫も発生し、周辺住民に迷惑をかけてしまいます。
    隣家まで伸びた木の枝や葉っぱなどを隣人が勝手に切ることはできないため、トラブルに発展しやすい問題でもあります。
    月に1度は念入りに掃除をおこないましょう。


      相続した空き家を放置するデメリット

      相続した空き家を放置するデメリット

      空き家には適切な管理が欠かせませんが、空き家から遠方に住んでいる場合や多忙な場合は管理するのが難しいと感じるかもしれません。
      しかし、空き家を放置することは多くのデメリットにつながるため、注意が必要です。


      犯罪に巻き込まれるリスク

      管理されていない空き家は、犯罪者に狙われやすくなります。
      不法侵入や放火、不審者に住みつかれるなど、さまざまなリスクが高まるのです。
      定期的に現地を見回らなければそのような事態になっていても気付けないため、より重大な事態に発展する場合もあります。
      周辺の治安悪化につながるおそれがあるため、近隣住民との関係が悪化するきっかけとなることもあります。


      「特定空家」に指定されることによるデメリット

      周辺の環境に悪影響を与える空き家であると行政が認めた場合に、「特定空家」に指定されることがあります。
      特定空家に指定された場合、固定資産税が跳ね上がるおそれがあります。
      家の建っている土地は固定資産税の軽減措置が適用され、200㎡以下の部分は固定資産税が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減されます。
      しかし特定空家はこの軽減措置の対象外となるため、結果的に固定資産税の負担が重くなることがあるのです。

      また、特定空家に指定されて行政からの指示や命令などに従わなかった場合は、強制的に建物が解体されることもあります。
      その場合の解体費用は所有者が支払う必要があるため、特定空家に指定されることは極力避けたほうが良いでしょう。


      所有者責任に問われるデメリット

      空き家をきっかけとして損害を受けた方がいる場合、所有者責任に問われます。
      たとえば、空き家の瓦がはがれて通行人にけがをさせた場合、所有者が責任を追及され、損害賠償などを求められる可能性があります。
      たとえその家から遠方にいたとしても、所有者である以上は適切に管理する責任が生じるのです。
      地震や台風など大規模な自然災害がきっかけだったとしても、所有者責任からは逃れられない場合があります。
      トラブルにあわないためには定期的に見回りをおこない、とくに自然災害のあとには念入りに建物の状態などをチェックする必要があります。
      なお、通常の家であればあらかじめ保険に加入しておくという対策が取れますが、空き家を対象に加入できる保険は少なく、あったとしても割高な保険料になるでしょう。


        相続した家を空き家状態にしないための解決策

        相続した家を空き家状態にしないための解決策

        相続した家を空き家にしているとデメリットが多いため、なるべく空き家の状態にしておかないことが大切です。
        ここでは、相続したあとに空き家状態にしないための解決策をご説明します。


        建物を解体する

        空き家をきっかけとしたトラブルの多くが、建物がきっかけで起こるものです。
        そのため、建物を解体して更地にすることで、トラブルの多くを未然に防ぐことができます。
        放火や不審者の侵入などの心配がなくなり、管理の負担も大幅に削減されるでしょう。
        ただし、解体には費用がかかります。
        1坪あたりの解体費用は、木造であれば5万円ほど、鉄骨造の場合は7万円ほど、鉄筋コンクリート造なら9万円ほどが相場です
        解体費用は建物の構造や、建物に面した道路の状況、隣家との距離など、さまざまな条件によって大きく変わるため、注意が必要です。
        また、建物が無くなると土地の固定資産税が高くなってしまうことに注意が必要です


        空き家を譲渡する

        空き家を有効に活用してくれる方が身近にいるのであれば、譲渡するのも解決策のひとつです。
        人が住むことで自然と換気や通水などの管理がされるので、建物の劣化が抑えられます。
        自治体や法人などが譲渡を受け入れてくれる可能性もゼロではありませんが、明確な利用計画がなければ断られることが多いです。
        空き家の隣地の所有者であれば土地を利用しやすいため、譲渡を受け入れてくれるかもしれません。
        無償で譲渡する場合でも、登記のための税金や贈与税がかかる場合があるため、あらかじめ相手に確認しておくことが大切です。


        売却する

        空き家の対処に困っている場合、まずは売却できないか確認してみるのがおすすめです。
        まずは空き家の価値を知るために、不動産会社に査定を依頼しましょう。
        査定の内容や対応に問題がなければ、売却を任せる不動産会社と媒介契約を結びます。
        不動産会社が広告を出すなどの売却活動をおこなった結果、買主が見つかり、条件に合意できれば売買契約を締結します。
        決済と引き渡しをおこなえば、空き家の売却は完了です。
        空き家を売却すれば、管理の手間や固定資産税の負担もなくなります。
        売れないだろうと思っていても、査定を受けてみたら意外と価値があったというケースも珍しくありません。

        まとめ

        相続した空き家の管理方法や放置した場合のデメリット、空き家状態にしないための解決策を解説しました。
        相続した空き家の管理が難しい場合は、まず売却できないか確認してみると良いでしょう。

        茅ヶ崎市・鎌倉市・藤沢市・逗子市・寒川町の空き家については「相続手続きの相談窓口・湘南」にご相談ください。

        横浜市・川崎市の空き家については「相続手続きの相談窓口・横浜川崎」にご相談ください。