小野瀬行政書士事務所のブログです。相続についての情報をお届けします。

相続手続き

相続トラブル。忘れがち、連れ子との養子縁組!

離婚後の子どもは不動産相続できる?連れ子の相続権やトラブル回避方法も解説

●親権の有無に拘わらず子どもには相続権がある
●配偶者の連れ子には相続権がないが養子にすると相続権が発生する
●離婚後の相続トラブルを防ぐ方法として「遺言書の作成」「生前贈与」「売却」がある

3組に1組の夫婦が離婚する現代社会では、親権がない子どもや配偶者の連れ子の相続権に関するトラブルが少なくありません。

実際にあるのです。私のお客様でもありました。
父が先に亡くなり、その後の母の相続手続きの依頼を受けた時です。
相続人は兄と妹の二人とのことで、兄から依頼を受けて手続きを進める予定でしたが、戸籍を収集していくと兄が相続人ではないことが発覚したのです。
何故かというと、父母は再婚どうしでしたが、兄は父の連れ子で妹は母の連れ子だったのです。
妹は母の希望で父と養子縁組していたので、父が亡くなった時は相続人でした。
しかし、兄は母と養子縁組されていなかったのです。つまり母の相続権は無いという状況になってしまったのです。
幸い兄・妹の関係は良好でしたので、妹が兄の希望を叶えるために話し合いがされておりますので、少しホッとしましております。
しかし、相続分の譲渡にしても、相続した後に贈与するにしても、贈与税など大きな出費が掛かってしまいます。
結婚相手に連れ子がいる場合は、特段の事情がなければ養子縁組をすると安心です。

    離婚後も子どもに不動産の相続権はある?

    離婚後も子どもに不動産の相続権はある?

    離婚を考えている方は、将来的なトラブルを防ぐためにも子どもの相続権について確認しておくと安心です。
    ここでは、離婚が子どもの相続権に及ぼす影響はあるのか解説します。

    離婚しても血縁関係のある子どもには相続権がある

    親の離婚とは関係なく、子どもには相続権が認められます。
    元夫と元妻の間に生まれた子どもは、親の離婚後であっても双方の遺産を相続できるのです。
    遺産に不動産がある場合もその他の財産と合算して、相続人の一人として法定相続分を主張できます。
    この場合、親権の有無も関係ないことがポイントです。
    離婚により親権を持たない元夫が、元妻との間の子どもに財産や不動産を相続させることも問題ありません。
    もちろん、親権を持っている元妻も、子どもに財産や不動産を相続させられます。

    代襲相続も可能

    代襲相続とは、本来相続人になる被相続人の子どもが既に亡くなっている場合、その相続分を子どもの子ども(孫)が相続することを指します。
    離婚後の相続であっても、代襲相続は可能です。
    たとえば、両親の離婚後に父方の祖父が亡くなり、すでに父も他界している場合、父が相続するはずだった遺産はその子どもが相続できます。
    両親の離婚後も、子や孫などの直系卑属は相続権を主張できるのです。
    なお、通常の相続手続き用意する戸籍謄本は被相続人だけのもので良いですが、代襲相続の場合は被代襲者の戸籍謄本も必要です。
    加えて、代襲相続人の孫の数を確認しなければなりません。
    たとえば祖父が亡くなって相続が発生、それ以前に父が亡くなっていて、相続人は配偶者の母と孫の場合には以下の戸籍謄本が必要です。

    • 被相続人である祖父の出生から死亡までの戸籍謄本
    • 被代襲者でありすでに亡くなっている父の出生から死亡までの戸籍謄本
    • 父の配偶者で代襲相続人である母の戸籍謄本
    • 代襲相続人である孫の戸籍謄本、孫の人数を確認する目的も兼ねる

    また、預貯金のようなプラスの遺産だけでなく、債務などのマイナスの遺産が多い場合には、代襲相続でも相続放棄を選択できます。
    相続放棄をおこなうのであれば、相続の開始を知った日から3か月以内の手続きが必要です。


      離婚後に再婚した場合に連れ子は子どもと同じように不動産を相続できる?

      離婚後に再婚した場合に連れ子は子どもと同じように不動産を相続できる?

      再婚した相手にすでに連れ子がいる場合、相続にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
      配偶者の連れ子の相続権について解説します。

      配偶者の連れ子には相続権がない

      離婚後に再婚し、配偶者に連れ子がいた場合、所有している不動産や財産を相続で残すことはできません。
      子どもの相続権と同じように、連れ子も親権の有無に拘わらず血縁関係にあるかどうかが基準だからです。
      その代わり、連れ子は実親からの相続を受ける権利を持っています。

      連れ子に不動産を相続させる方法とは

      配偶者の連れ子には相続権がありませんが、不動産を含めた財産を相続させる方法が2つあります。
      ひとつは養子縁組をすることです。
      養子にすると連れ子にも相続権が発生し、相続時には実子と同じ相続分が認められます。
      養子縁組をしたとしても実親との関係は続くため、実親からの相続権も消滅しません。
      養子縁組は、養子縁組届出書と届出人の身分証明書を市区町村の役所に提出することで手続きできます。
      連れ子に相続させるもうひとつの方法は、遺言書を作成し寄贈者に連れ子を指定することです。
      寄贈なので正確には相続ではありませんが、連れ子に財産を残したい場合には検討してみても良いでしょう。
      そのためには、公正証書遺言など、正しい手続きを踏んだ効力のある遺言書の作成が重要です。
      このときの注意点として、実子の遺留分を侵害するとトラブルに発展するおそれがあることが挙げられます。
      遺留分とは、法定相続人が主張できる最低限の遺産取得分のことです。
      連れ子に財産のすべてを相続させようとしても、実子から遺留分を主張された場合はその分を残さなくてはなりません。
      トラブルにならないよう、法定相続人の遺留分についてもよく確認したうえで手続きを進める必要があります。


        離婚後の子どもへの不動産相続でトラブルを避ける方法

        離婚後の子どもへの不動産相続でトラブルを避ける方法

        離婚後の実子への相続や、配偶者の連れ子への相続は気を付けないとトラブルが発生することがあります。
        ここでは、トラブルを回避する方法を解説します。

        公正証書遺言を利用する

        遺言を残して相続内容を決定する場合、公正証書遺言を作成することをおすすめします。
        遺言書は大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
        どの遺言書にも一長一短ありますが、遺言書が無効になるリスクがないのが公正証書遺言です。
        公正証書遺言は、本人と証人2名が公証役場に行き、本人が口述した内容を公証人が記述して作成します。
        未成年者や相続人になる予定の方は証人になれないため、自分で証人を用意できなければ公証役場で紹介してもらったり、弁護士や司法書士などに依頼したりする方法があります。
        こうして作られた遺言書は検認の必要がなくなるため、相続開始後速やかに遺言の内容を実現できるでしょう。
        公正証書遺言は原本が公正役場に保管されるため、遺言書が破棄されたり、隠匿・改ざんされたりする心配がありません。
        遺留分の侵害や、生前贈与と相続の矛盾などがなければ遺言内容どおりに遺産分割されるため、トラブルの心配が減るでしょう。

        生前贈与や寄贈を利用する

        特定の方に財産を渡す「生前贈与」や「寄贈」を利用する方法もあります。
        たとえば、住宅取得資金贈与や配偶者控除などを利用すると、贈与税を抑えつつ財産を残すことができます。
        寄贈や贈与は贈与税がかかるため、控除を利用して節税することがポイントです。

        相続財産になる不動産を売却する

        不動産は分割しづらく、利用方法や評価額が相続人によって異なるため、トラブルの原因になりやすい相続財産です。
        相続税の算出のために不動産評価額を決めることですら、意見の食い違いが起きることもあります。
        もし、相続税の支払いのために不動産売却するのなら、相続が発生した翌日から10か月以内が相続税の納税期限であることに注意が必要です。
        一般的に不動産売却には半年程度の売却期間を見込むことが多いため、時間をかけて相続人同士の方針をすり合わせていると相続税の納付期限に間に合わないこともあります。
        ただし、早期売却の目的で不動産価格を引き下げて売却するとなると、損してしまうことになるでしょう。
        遺産分割の手間を省き可能な限り高額で売却するためには、不動産を生前に売却し現金化して相続に備えることも検討したい方法のひとつです。


        【まとめ】

        離婚後の子どもは血縁関係にある以上、親権の有無に拘わらず親の財産の相続権を持ちます。
        配偶者の連れ子については相続権がありませんが、養子縁組をすると相続が可能です。
        その際にはトラブルにならないように、公正証書遺言の用意や生前贈与の活用、不動産の売却なども検討しておくことをおすすめします。

        茅ヶ崎市、寒川町、鎌倉市、藤沢市、逗子市の相続対策・相続手続きは「相続手続きの相談窓口・湘南」にご相談ください。

        横浜市、川崎市の相続対策・相続相談は「相続手続きの相談窓口・横浜川崎」にご相談ください。

        不動産相続・よくあるトラブル

        不動産相続でよくあるトラブルとは?事例とともに解決策をチェック

        ●たとえ親族同士であっても不動産相続時にトラブルになることがある
        ●相続した不動産を平等にわけようとして揉めるケースもある
        ●被相続人が名義変更(相続登記)をおこなっていないがゆえのトラブルもある

        不動産相続におけるトラブルは、他人事ではなく誰にでも起こりうることです。
        揉め事が起こると解決までに時間がかかったり、相続人同士の関係性が悪くなったりします。

        不動産相続において相続人同士でトラブルになるケース

        不動産相続において相続人同士でトラブルになるケース

        まず、不動産相続において相続人同士でトラブルになるのはどのようなケースなのでしょうか。

        誰が不動産を相続するかで揉めてしまう

        相続人同士のトラブルとして、誰が不動産を相続するかで揉めることがあります。
        遺産のなかでも、不動産が高い価値を持っている場合、トラブルになることが多いです。
        相続人のなかの1人が親と長いあいだ同居していた場合、相続を強く望むケースも少なくありません。
        長年同居してきたことは、不動産という財産の維持や形成に寄与したと、主張することができるでしょう。
        貢献度の認識の違いによるトラブルを回避するためには、遺言書の作成がおすすめです。
        同居している相続人が不動産を相続することなどを、事前に決めておけば、相続人同士のトラブルを回避できます。

        不動産を相続すると不公平になる場合

        遺産が不動産しかない、または不動産以外にめぼしいものがない場合、相続人間でトラブルになることがあります。
        相続人である子どもの1人が親と同居していた場合、実家を相続し、そのまま住み続けるのが一般的です。
        しかし、価値のある遺産が不動産しかなかった場合、ほかの相続人から不満の声が上がるかもしれません。
        そのような場合は、不動産を相続した方がほかの相続人に、代償金を支払うことで解決できる可能性があるでしょう。

        相続人が多くトラブルになるケース

        不動産の相続は、相続人が多いほどトラブルになりやすいです。
        被相続人が離婚や再婚をしていたり、離婚した配偶者とのあいだに子どもがいたりする場合、遺産分割が複雑になります。
        知らないあいだに認知していた子どもが名乗り出た場合、スムーズに手続きできない可能性もあるでしょう。
        被相続人が離婚や再婚をしている場合は、事実を確認しておくことが大切です。
        また、被相続人が元気なうちに遺言書を作成しておくと、不動産相続時のトラブルを回避できます。


        相続した不動産を平等にわけようとしてトラブルになるケース

        相続した不動産を平等にわけようとしてトラブルになるケース

        相続した不動産を平等にわけようとしてトラブルになるケースもあります。
        不動産相続では、誰かが損をしないよう、ひとつの土地や建物を兄弟や姉妹でわけるケースも珍しくありません。
        しかし、平等に分割しようとすると、かえってトラブルになることがあります。
        不動産を平等にわけるための方法は、次の3つです。

        平等にわける方法1:共有分割

        共有分割とは、ひとつの不動産を複数の相続人で共有することです。
        相続人が3人いる場合、それぞれの持ち分は3分の1となります。
        平等にわけられるためトラブルもないように思えますが、共有分割には下記のようなデメリットがあります。

        • 売却したいときは共有者全員の許可が必要
        • 将来2次・3次相続が発生し相続人が増える可能性がある
        • 固定資産税の通知書は代表者に送付されるため、納期ごとにほかの共有者から徴収しなければならない

        このように、共有分割にはトラブルにつながりかねないデメリットが複数あります。
        「平等にできるからとりあえず共有にしておこう」と思う方もいらっしゃると思いますが、ひとつの不動産を共有状態にするのは、あまり望ましくありません。
        将来的なトラブルのリスクを考えたうえで、判断する必要があるでしょう。

        平等にわける方法2:現物分割

        現物分割とは、ひとつの土地を相続人の数に応じて分筆し、それぞれが所有権を持つことです。
        相続人が4人の場合、4つにわけてひとつずつ取得します。
        この方法も一見すると、平等に分割できるように見えます。
        しかし、ひとつの土地を分筆した場合、形状や方位、間口の広さなどが異なるのが一般的です。
        そのため、同じ面積でわけたとしても、評価額や使い勝手に差が出ることになります。
        分筆によって資産価値が異なる土地が生まれると、誰がどの土地を取得するかでトラブルになる可能性もあるでしょう。

        平等にわける方法3:換価分割

        換価分割とは、不動産を売却して現金化したあと、平等にわける方法です。
        現金を公平にわけられるため、不動産の遺産分割では、もっともトラブルを回避しやすい方法となります。
        たとえば、不動産の売却金が3,000万円で売却にかかった経費が400万円、相続人が2人のケースで考えてみましょう。
        手元に残るお金は2,600万円のため、それぞれが取得するのは1,300万円です。
        不動産相続におけるトラブルを回避するためには、共有分割や現物分割よりも、リスクの低い換価分割がおすすめです。


        相続した不動産の名義変更ができていなかったためトラブルになるケース

        相続した不動産の名義変更ができていなかったためトラブルになるケース

        最後に、相続した不動産の名義変更によるトラブルについて解説します。

        被相続人が名義変更をしていなかった

        不動産の相続手続きをはじめた際、名義変更がされておらず、前の世代の名義だったケースがあります。
        被相続人がその不動産を取得したとき、名義変更をおこなわなかったがゆえのトラブルです。
        土地や建物を相続すると、相続人は法務局にて名義変更(相続登記)をおこなう必要があります。
        しかし、これまで相続登記は任意の手続きで、期限やペナルティーもありませんでした。
        そのため、相続した不動産の名義変更がおこなわれないまま、新たな相続が発生しトラブルになるケースが増えています。
        そのような不動産の相続時は、当時の被相続人が作成した遺産分割協議書を探したり、登記関係の書類を準備したりしなければなりません。
        当時の遺産分割協議書がない場合、新しく作成する必要があるうえに、すべての相続人から署名と捺印をもらう必要があります。
        手間と労力がかかる作業となり、トラブルに発展するリスクも高くなるでしょう。
        トラブルを回避するためには、登記情報を調べたり法務局で名義を確認したり、相続に向けてチェックしておくことが大切です。

        相続登記は令和6年4月より義務化される

        名義変更がおこなわれないままの不動産は、相続時にさまざまなデメリットが生じます。
        相続登記されずに放置された不動産は、将来新たな相続が発生した場合、多大な労力を要することになります。
        そのため、令和6年4月より相続登記が義務化されることになりました。
        名義変更の手続きが義務化されれば、不動産相続後のトラブルも減少するでしょう。
        また、相続した不動産が空き家になり放置されるケースも年々増えています。
        所有者が明確になることで、空き家の放置によるトラブル(老朽化や景観の悪化など)を防止できるのではと期待されています。


        まとめ

        不動産相続でよくあるトラブルをケースごとに解説しました。
        土地や建物といった不動産は、分割しにくいがゆえにトラブルが起こるケースも多いです。
        トラブルを回避するためにも、あらかじめ相続前に対策をおこなっておくことをおすすめします。


        茅ヶ崎市・寒川町・鎌倉市・藤沢市・逗子市の不動産の相続手続きや生前対策に関するご相談は相続手続きの相談窓口・湘南にご連絡ください。

        横浜市・川崎市の不動産の相続手続きや生前対策に関するご相談は相続手続きの相談窓口・横浜川崎までご連絡ください。

        空き家の固定資産税は高くなる?

        空き家の固定資産税は高くなる?計算方法や節税についても解説

        ●自治体から「特定空家」に指定された場合、空き家の固定資産税が上がるおそれがある
        ●固定資産税は基本的に課税標準額に1.4%をかけて計算される
        ●固定資産税を節税するためには、信頼できる方に貸し出すほかに、売却するなどの方法がある

        利用していない空き家を管理せず放置していると、自治体から「特定空家」に指定されることがあります。
        特定空家に指定されると、結果的に固定資産税が大幅に上がるおそれがあるため、注意が必要です。

        空き家が「特定空家」に指定されると固定資産税が上がる?

        空き家が「特定空家」に指定されると固定資産税が上がる?

        現在、日本では高齢化社会が深刻化するにつれて空き家も増え続け、社会問題になっています。
        ここでは、空き家の固定資産税と「特定空家」について解説します。

        空き家でも固定資産税がかかる

        たとえその家に住んでおらず、活用していないとしても、空き家の所有者には固定資産税を支払う義務があります。
        固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している方に課されるのが原則です。
        ただし、不動産売却をした場合は、引き渡し日時点で固定資産税を日割りした金額を、買主から売主に精算するのが一般的です。
        どのタイミングで売却しても、所有していた期間分だけ固定資産税を負担することになるケースが多いため、売却のタイミングを気にする必要はないでしょう。
        なお、空き家だからといって固定資産税が安くなったり高くなったりすることはありません。
        しかし、自治体から「特定空家」に指定された場合は、固定資産税がそれまでと比べて大幅に上がるおそれがあります。

        特定空家とは

        周囲の景観をとくに悪くしている空き家や倒壊の危険性が高い空き家などへの対策などとして、平成26年に「空家等対策特別措置法」が成立しました。
        この法律をもとにした自治体の認定により、放置された空き家が「特定空家」として指定されることになりました。
        市民からの相談や実態調査によって空き家が「周辺の住環境や景観を著しく損ねる」と判断された場合に、自治体から「特定空家」に指定されます。
        具体的には、倒壊の危険性がある空き家や、著しく衛生上有害な可能性がある空き家、景観を損なっている空き家、周辺の生活環境の保全のため放置することが不適切な空き家などが、これに該当します。
        つまり、すでに放置されており、周囲に迷惑をかけるような空き家が「特定空家」に指定されるのです。
        特定空家に指定されたあとは、自治体から助言や指導がおこなわれ、それでも従わなかった場合は、より強制力のある勧告や命令が実施されます。
        これにより、受けられていた控除の対象外になり、強制的に空き家を解体するなどの代執行がおこなわれ、かかった費用は所有者に請求されることになります。


        空き家の固定資産税の計算方法

        空き家の固定資産税の計算方法

        ここでは、通常の空き家の固定資産税の計算方法と併せて、特定空家に指定されたあとの固定資産税についても解説します。

        通常の空き家の固定資産税の計算方法

        空き家の固定資産税の計算方法は、一般的な住宅の計算方法と変わりません。
        土地と建物に分けて、以下のようにそれぞれ課税されます。

        • 土地の固定資産税=課税標準額×1.4%(軽減措置あり)
        • 建物の固定資産税=課税標準額×1.4%

        固定資産税評価額とは、固定資産税の基準となる土地や建物の評価額で、自治体が調べて定めるものです。
        住宅が建っている土地は、「住宅用地特例」により課税標準が以下のように軽減されています。

        • 面積200㎡以下の部分:固定資産税課税標準額=固定資産税評価額×1/6
        • 面積200㎡超の部分:固定資産税課税標準額=固定資産税評価額×1/3

        しかし、特定空家の建っている土地は、住宅用地特例の対象外となる点に注意が必要です。
        実際の計算は、突然固定資産税が跳ね上がらないようにするための負担調整措置などがおこなわれます。
        そのほか、自治体によって独自の軽減措置などがおこなわれていることもあります。

        特定空家の固定資産税の計算方法

        特定空家の場合、住宅用地特例を受けることができません。
        これまで受けられていた軽減措置が受けられなくなることで、結果的に固定資産税の負担が増えることにつながります。
        ただし、特定空家に指定されたらすぐに固定資産税が跳ね上がるわけではありません。
        指定後におこなわれる助言や指導に従い、空き家に対して適切な対処をおこなって改善すれば、控除の対象のままでいられます。
        ただし、助言や指導に従わず、さらに勧告を受けても改善しない場合は、翌年から固定資産税の負担が増えるでしょう。


        空き家の固定資産税を節税する方法

        空き家の固定資産税を節税する方法

        空き家を放置し続けると、固定資産税の負担が重くなるおそれがあるため、適切な対策が必要です。
        ここでは、固定資産税の節税方法について解説します。

        信頼できる方に住んでもらう

        空き家が問題になるのは、活用することも管理することもできず、放置してしまうからです。
        親族など信頼できる方に貸して居住してもらえれば、日常的な管理が自然とおこなわれるため、建物が傷むスピードも遅くなるでしょう。
        もし固定資産税をまかなえる程度の家賃を受け取ることができれば、所有者の金銭的な負担はほとんどなくなります。
        今後空き家を相続する予定がある場合は、事前に空き家の管理や住人、固定資産税の負担などについても話し合っておくと良いでしょう。

        特定空家の指定を解除してもらう

        所有する空き家が特定空家に指定された場合は、すぐに解除してもらえるよう、現状を改善することが大切です。
        勧告から時間が経つまでに改善できれば、固定資産税の負担が増えることはありません。
        たとえば、窓ガラスが割れたままになっているなど景観を悪化させている場合は、必要に応じて修繕をおこないます。
        倒壊の危険がある場合は、耐久性を上げるための工事をおこないましょう。
        このような改善が認められれば、特定空家の指定が解除されます。
        改善に多額の費用がかかる場合やあまりにも老朽化が進んでいる場合などは、建物を解体したほうが良いことも少なくありません。
        ただし、建物がなくなった土地は固定資産税の軽減措置が受けられなくなるため、固定資産税の節税にはなりません。

        売却する

        売却して空き家を手放すことで、固定資産税の負担から解放されます。
        管理に困る空き家は相続でもめることも多いため、後のトラブルを防ぐことにもなるでしょう。
        相続して3年以内の空き家を売却する場合は、「相続空き家の3,000万円特別控除」が利用できることもあります。
        売却した利益から3,000万円まで控除できるため、売却後に課される譲渡所得税に対して大きな節税効果があります。
        ただし、相続空き家の3,000万円特別控除を利用するためには、昭和56年5月31に以前に建築された建物であることや、マンションでないことなどの要件を満たす必要があります。
        利用できるかどうかを売却前に確認しておきましょう。


        まとめ

        特定空家についてや固定資産税の計算方法、節税方法についてご説明しました。
        空き家を活用していなくても、所有しているだけで固定資産税がかかるため、早めに対処することが重要です


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        相続における代償分割とは?

        相続における代償分割とは?メリット・デメリットも解説

        不動産などの分けにくい遺産を複数の相続人で分割する場合、代償分割を選択するのも手段のひとつです。
        不動産をそのまま所有しておけるのがメリットですが、資金力が必要などのデメリットもあります。
        この記事では、代償分割とはなにかやそのメリット・デメリット、遺産分割協議書の書き方などについてご説明します。


          相続における代償分割とは

          相続における代償分割とは

          遺産に不動産が含まれており、相続人が複数いる場合、遺産分割の方法を決める必要があります。
          ここでは、代償分割をはじめとする4つの分割方法をご説明します。

          代償分割とは

          代償分割とは、一部の相続人が不動産などの遺産を相続し、その代償として金銭などをほかの相続人に支払うという遺産分割の方法です。
          たとえば、3,000万円の価値のある不動産をひとりの相続人が受け取り、ほかの2人の相続人には1,000万円ずつの現金を渡すことが代償分割です。
          複数人で分割しにくい不動産などの遺産をそのままの形で残しながら、公平に分割したいときに使われる方法です。

          現物分割

          遺産の形や性質を変えることなく、そのままの状態で分割する方法を現物分割といいます。
          たとえば、1,000万円の価値の不動産と1,000万円の現金、1,000万円の価値の宝飾品がある場合、3人がそれぞれ不動産、現金、宝飾品を受け取ることが現物分割です。
          遺産が平等に分けられる状態であれば問題が起きにくく、手間が少ない分割方法です。
          しかし、実際は相続する財産の価値がバラバラで、不平等な遺産分割になることが少なくありません。

          換価分割

          遺産を売却するなどして現金化し、お金を相続人で分配することを換価分割といいます。
          たとえば、3,000万円の不動産を売却し、現金1,000万円ずつを3人の相続人で分けるのが換価分割です。
          売却するため元の遺産は残りませんが、平等に分けやすく、受け取ったあとは活用もしやすいというメリットがあります。

          共有分割

          共有分割とは、ひとつの遺産を複数人で共有する分割方法です。
          たとえば、不動産を相続人3人の共有名義とし、それぞれ3分の1ずつの持分割合で登記するのが共有分割です。
          遺産を残したまま平等に分けることができますが、共有財産は活用しにくく、その後に起きた相続でトラブルになりやすいなどに注意が必要です。


            相続における代償分割のメリットとデメリット

            相続における代償分割のメリットとデメリット

            不動産を代償分割する場合には、メリットとデメリットを事前に把握しておくことが大切です。
            ここでは、代償分割のメリットとデメリットを解説します。

            メリット1:不動産を手元に残せる

            代償分割を選ぶメリットは、不動産を売却せず、そのままの形で手元に残せることです。
            ずっと住んでいる家など、どうしても手放したくない不動産の場合は、とくにこのメリットを大きく感じるでしょう。
            また、売却の必要がないため、ほかの相続人に支払う代償金がすぐに用意できる場合は手間もかかりません。

            メリット2:平等に分割できる

            不動産など価値のある遺産を一部の相続人だけが受け取ると、ほかの相続人からの不満につながります。
            代償分割では多く受け取った分だけほかの相続人に現金などで補填するため、結果的には平等な遺産相続が可能となります。

            メリット3:不動産を単独で相続できる

            不動産を残したい場合は、代償分割以外にも共有分割という方法もあります。
            しかし、共有名義になる共有分割とは違い、単独名義で不動産を所有できるのも代償分割のメリットです。
            共有名義の不動産は、売却のためには全員の合意が必要となり、さらに相続が発生すると権利関係者が増えるなど、トラブルに発展することが珍しくありません。
            代償分割ではそのような事態を避けられるため、相続後も不動産を活用しやすいでしょう。

            デメリット1:代償金の用意が負担になる

            代償分割をするためには、ほかの相続人に支払う代償金を用意しなければいけません。
            受け取る不動産の価値が高いほど、高額な資金が必要となります。
            資金に余裕がない場合は、代償金の用意が重い負担となることがあります。

            デメリット2:不動産の評価額で意見がわかれる

            不動産の評価額をもとに代償金額を決めますが、その際にどのような基準の評価額を採用するかによって、相続人同士でトラブルが起きることがあります。
            不動産の評価額は、不動産会社が査定する時価だけでなく公的機関が発表する公示地価や基準地価などさまざまなものがあり、どの基準を採用するかによって評価額が大きく異なることも多いです。
            評価額によって相続人の手元に入る金額が変わるため、相続人同士で意見が割れることも珍しくありません。

            デメリット3:相続税の用意が必要になる

            不動産を売却する場合、タイミングによっては売却益から相続税を支払うことも可能です。
            しかし、不動産を売却しない代償分割の場合は、不動産の価値に応じた相続税をほかから用意する必要があります。
            不動産以外の遺産から相続税を捻出できない場合は、代償金にくわえて相続税も自分で用意する必要があるため、とくに負担が重くなるでしょう。


              代償分割で相続する際の遺産分割協議書の書き方など注意点

              代償分割で相続する際の遺産分割協議書の書き方など注意点

              代償分割を選んだ場合、遺産分割協議書の書き方や相続税の計算方法などについての注意点があります。

              遺産分割協議書の書き方

              相続人が複数いて、遺言書が残されていない場合などは、相続人全員で遺産分割協議をおこない、遺産分割方法について話し合う必要があります。
              遺産分割協議で合意された内容は遺産分割協議書にまとめます。
              代償分割の場合、あとからトラブルにならないため、また、余分な税金を課されないためにも、遺産分割協議書への記載が必要です。
              もし代償分割した旨を遺産分割協議書に記載しなかった場合、相続人同士でやり取りした代償金が贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。
              そうならないためには、代償分割する旨と、誰が不動産を取得し、誰にいくらの金額をいつまでに支払うかを明確に記載しておかなければいけません。
              遺産分割協議書には決められたフォーマットなどはありませんが、贈与とみなされることのないよう、細心の注意が必要です。

              代償分割する場合の相続税の計算方法

              相続した遺産の価値に応じて相続税が課されます。
              たとえ代償分割をしたとしても、相続人全員で受け取る遺産の総額に変わりはないため、相続税の総額も変わりません。
              ただし、代償金を支払った側と受け取った側の負担割合に応じて、以下のようにそれぞれの相続税の負担割合も変わってきます。

              • 代償金を支払った相続人:課税価格=相続した遺産の価額-支払った代償金の価額
              • 代償金を受け取った相続人:課税価格=代償金以外に相続した遺産の価額+受け取った代償金の価額

              代償金の金額は、相続税評価額から計算する以外に、時価をもとに計算することもできます。
              どの方法で計算するかによって、各相続人の支払う相続税の割合は変わりますが、相続税の総額は変わりません。


              まとめ

              代償分割とはなにかやメリット・デメリット、遺産分割協議書の書き方、相続税の計算方法についてご説明しました。
              代償分割にはメリットもありますが、代償金の用意が負担となる場合はほかの分割方法も検討すると良いでしょう。

              茅ヶ崎市・鎌倉市・藤沢市・逗子市・寒川町の相続のことは「相続手続きの相談窓口・湘南」にご相談ください。
              横浜市・川崎市の相続のことは「相続手続きの相談窓口・横浜川崎」にご相談ください。

              【相続の手続きは誰に相談すればいいの?】

              こんにちは。

              さて、相続が発生した場合に誰に相談したら良いんでしょうか?

              弁護士? 司法書士? 税理士? 行政書士? 社労士?

              相続というと士業の先生を思いつきますよね。

              現在、大相続時代に入ってから、相続の手続きを専門に行う士業の事務所がすごく多いんです。

              一昔前は、弁護士や税理士さんには花形と呼ばれる仕事があったんです。しかしながら競争が厳しいせいでしょうか、今はたくさんの事務所が相続手続き業務をやり始めましたよね。

              さて、各士業の先生に任せればきっと大丈夫!?

              相続人間で揉め始めてしまいました。→弁護士に相談
              ■相続税の申告を頼みたい。→税理士に相談
              ■相続不動産の相続登記をしなきゃ。相続放棄の手続きなど。→司法書士に相談
              ■遺産分割協議書を作成してもらいたい。生産緑地の解除手続きなど。→行政書士に相談
              ■年金手続がわからない。→社労士に相談。


              では、相続人間で遺産分割協議で争いが始まり、相続税の申告をしなきゃ。という時は?
              弁護士に依頼→争いを解決、遺産分割協議書作成。
              が・・・相続税の申告は税理士に別途頼まなければなりません。また、
              不動産の相続登記は弁護士さんは行うことはできても専門ではないのでやらないと思います。

              士業の仕事には業際というものがあって、各士業の独占業務があり、それを超えて業務できないのです。

              そんな中で、弁護士は法律関係の最高峰の資格ですから司法書士・行政書士のできる仕事は行うことができます
              でも実際は弁護士が登記したり、遺産分割協議書作成などすると料金が高いです。
              さらには、弁護士だからといって全てに精通しているわけでは無く得意・不得意があります。


              だからといって、相続が発生して忙しい相続人がいちいち手続項目ごとに士業の先生を見つけてお願いするのも大変ですよね。
              そして弁護士ですら得意不得意が有るわけですから、現在、士業は提携や連携して相続業務に当たる事が多いです

              そして残念ですが、なぜだか相続の手続を行うのに明確な料金基準がありません。
              そして、難易度の高い資格の士業ほど料金は高くなる傾向です。
              提携して窓口が一つになると言っても、窓口弁護士なのと行政書士とでは同じ内容の手続を完結させたとしても料金に差が出てしまうのです。

              そして、相続の手続きが100%だとすれば、士業が専門的に行えることは40%くらいに過ぎないのです。
              では残りの60%は?

              例えば相続した不動産を売却したい有効活用したいといった場合に誰に相談しますか?
              相続財産に骨董品があるとか、保険の手続有価証券の手続銀行の手続などなど。
              弁護士や税理士がやってくれますかね?
              使用人にやらせることはあるでしょうけど。
              他にも財産調査相続人調査なども合わせてワンストップで行える会社や事務所に頼むことがいいんじゃないかと思います。
              そして必要な分野必要な士業明朗価格で手配できるワンストップ窓口があればそこに依頼することがスムーズだと考えています。

              あッ!
              「相続手続きの相談窓口」のこと?

              誘導しているみたいですね!?

              今は、専門士業では無くてもそういったワンストップ窓口になっている会社や事務所がありますので探してみてください。

              例えば、相続診断士事務所、FP事務所、街の不動産会社などです。
              相続診断士事務所FP事務所は、専門士業を必要とする部分だけ提携士業に依頼して、それ以外の相続手続きを意外に安価でマルマル担当してくれます。

              相続に精通している不動産会社不動産相続の相談窓口さんや公認不動産コンサルティングマスター所属会社)はもともと司法書士・税理士との仕事のやり取りは慣れていますからね。
              更に不動産の財産評価は税理士が出しますが、実勢価格は税理士は出せません。不動産屋さんの役目だったりするんです。
              実勢価格がわからないと売るのか利用するのか判断できませんよね。

              それと、どうしても士業の専門分野の料金は高いイメージがありますので、必要最低限にしたいですし、そもそも何をどの士業に頼めばいいのかわからなくなったりすると精神的に負担ですよね。

              ですから窓口になってくれて明朗料金設定相続後の手続のほぼ全て任せられる会社・事務所に依頼することをお勧めいたします。

              そもそも昔は弁護士もお金持ちの相続に関することくらいしか積極的にはやっていなかったんです。
              税理士も相続税の申告は花形では無かったんです。

              士業が多くなりすぎて競争が厳しくなったのか、大相続時代で相続の仕事が花形になたのか・・。
              弁護士や税理士の事務所・法人がここまでこぞって相続に積極的になっているくらい需要が多くなってきたのは間違いないですね。

              士業にしても、そうではなくてもワンストップ明朗会計の事務所・会社に依頼することが経済面も、精神面でも多忙な相続人にとっては良いのではないかと考えています。


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              相続手続きの相談窓口

              小野瀬行政書士事務所は「相続手続きの相談窓口」を運営しております。
              「相続手続きの相談窓口」では、茅ヶ崎市を中心に神奈川県内の遺言書作成・家族信託等の生前対策と、相続人の特定・相続財産の特定・遺産分割協議書作成・名義変更等の相続手続きの相談を承っております。
              また、行政書士事務所とは別に不動産の仕事もしておりますので、不動産の相続対策、空き家問題等の相談にも対応いたします。さらに、不動産の最有効使用等の不動産コンサルティングもしております。相続に関することと、不動産に関することはお気軽にご相談ください。。

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